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仕事が面白くなる! 不安をかかえる新社会人にむけた1本【ストーリーとしての競争戦略】

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仕事が面白くなる! 不安をかかえる新社会人にむけた1本【ストーリーとしての競争戦略】

4月から新社会人、本来であれば期待に胸ふくらませるときですが、
いまは不安がはるかに大きい人が多いですよね……。

こんなときだからこそ、不安をかかえているあなたに、
仕事の楽しさを教えてくれる朗読を1本おすすめ。
これを聞いたら早く仕事をしたくなること受けあいです。

戦略の本だけど……

一般的に「戦略」を扱う本は、堅苦しいし、分厚いし、予備知識が必要だし、
近寄りがたい雰囲気を醸し出しているものが多く、
中身もなかなか武骨なものが大半です。

そのため、わからない単語を頭の中でイメージできず、
朗読で聴くには、ちと厳しいジャンルです。

しかしこの本は違います。

この感動をあなたにもあじわってほしい

「古畑任三郎」を知っていますか?
ザコシショウが、ハンマーカンマーってマネしてましたよね。え、わからない?
最後のテレビ放送からずいぶん時間がたっているので、
若い人は知らないかもしれませんね……。

一話完結で、毎度豪華ゲストが犯人役を演じます。あの、イチローも出演してました。
だいたいは殺人シーンから始まり、犯人はわかっています。

古畑は人並外れた推理力で、犯人がつくったアリバイやトリックを崩し、
その手口をあばいていくわけです。

今見ても色あせない魅力のある作品です。
配信サービスで見ることができるので、ぜひ一度見てみてください。

この本も「古畑任三郎」と同じで、
最初から犯人(結果)は、わかっているわけです。

この本に登場する
マブチモーターも、
トヨタも、
デルも、
アマゾンも、
ガリバーも、
成功した企業としての結果を、私たちはしっています。

現実に「古畑任三郎」はいませんが、
著者の楠木建氏が「古畑任三郎」さながら
それぞれの会社の成功に裏にあるストーリーを紐解き、
そこから導き出される成功法則を暴いていきます。

聴き終わったあとには、爽快感と一緒に熱くこみ上げるものがありました。
私は、不覚にも涙してしまいました。
スポーツの感動シーンをみたあとの感覚にも似ているかもしれません。
この感覚はぜひ味わってほしい。

きっと「自分も!」という気持ちになる

古畑任三郎でいうところのトリック(ちょっと意味合いが異なるのですが)は、
この本のなかでは「キラーパス」と言い換えられ、
一見不合理に見えるけれども、全体を考えれば実に合理的な戦略をあらわす
打ち手として表現されています。

これまで、戦略に関する本を読むこともありましたが、
分析方法とか過去の成功・失敗事例の紹介に終始して、
なかなか応用が利かないものが多いような印象でした。

この本ももちろん過去の事例を使い、持論を展開していきます。
しかし事例の紹介にとどまらず、そこから抽象化された理論が導かれていて、
「自分でもやってみたい」という熱い気持ちを呼び起こさせてくれます。

楽しんでストーリーをつくってみよう

奇をてらわず、ちゃんと「考える」ことの大切さ、楽しさ。
結局、ビジネスは人だから、人を知らなければいけない。

人を知ってストーリーを考える。
そういうシンプルで、最高に楽しいビジネスの本質を教えてくれます。

新社会人、きっと最初はいろいろな壁にぶつかることと思います。
月並みですが、思うようにいかないこともたくさんあります。

でも、そんなときは、自分で考えて、
自分なりのストーリーを作ってみてください。
そこを打開する方法が必ずあります。

長いけれども聞く価値あり

17時間30分ほどあります。
これは「ロード・オブ・ザ・リング」+「ホビット」よりは長く、
「スター・ウォーズ」シリーズよりは短い。そのくらいの長さです。

しかしあっという間でした。
著者は最初に長いことを詫びています。たしかに物理的な時間は長いのかもしれません。
でも、終わりには「もう終わってしまうのか」とさみしい気持ちになりました。
これもストーリーのなせる業でしょうね。

書店で実際の本を手に取ったこともありますが、手に取って読み始めるにはなかなか勇気がいる厚さです。だからこそ、この朗読には価値があります。

心地よい落ち着き

こういったビジネス書を飽きさせず、かつ適度に感情をのせながら読めている人はなかなかいないのですが、ナレーターの鬼塚啓之進さんは、とても上手です。

落ち着いていてとてもいいトーンです。お寺の広い本堂にひとり座禅を組んでいるときのような凛とした心地よい緊張感がただよっています。

引用部分など、場面の使い分けが必要な文章もそれなりにあるのですが、間やトーンを使い分けることによって、混乱なく聴き進められます。

さいごに

男たちが熱くなる話って面白いですよね。
しかもそれが実話ならなおさら。いつかこの本を聴いたあなたたちの誰かが、
主役として登場するような成功を収めることを願っています。



 

■著者について
楠木建(くすのき・けん)
一橋大学大学院国際企業戦略研究科教授。
1964年東京生まれ。92年一橋大学大学院商学研究科博士課程修了。
一橋大学商学部助教授および同イノベーション研究センター助教授などを経て、
2010年より現職。専攻は競争戦略とイノベーション。
著書に、Dynamics of Knowledge, Corporate System and Innovation(共著、Springer)、
Management of Technology and Innovation in Japan(共著、Springer)、
Hitotsubashi on Knowledge Management(共著、John Wiley & Sons)、
『知識とイノベーション』(共著、東洋経済新報社)などがある。

■朗読者について
鬼塚啓之進
テレビ朝日「邦子がタッチ」「ニュースステーション」「サンデープロジェクト」に出演。モンタナ・ライトボックス、ソニー・デジタル携帯電話、ハリカのCMにてナレーションを担当。ビデオ「結婚スピーチ事例」やCD「小学生理科」などに出演。趣味は読書、ジョギング。特技は社会教育コンサルタント、ものまね。

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