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朗読:祐仙 勇/『三体』劉 慈欣

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朗読:祐仙 勇/『三体』劉 慈欣

オバマ前大統領が「帯」を書く可能性のある作品

あなたは、誰が読んでいる本を読んでみたいですか?

どうも、朗読モンキーです。

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今日は、巷で話題の中国人作家によるSF大作『三体』をご紹介します。

オバマ前大統領が「帯」を書く可能性のある作品

「誰が書いたか」じゃなくって、「誰が読んだか」が大事。作品のなかみより、帯が大事。どこかの社長が読んだとか、あの芸能人が読んだとか。それが「帯」にバーンとのる。売れる。表紙が見えないよってくらいの帯の存在感。それだけ作家の名前で売るのが難しいんだよね。

それは、海外作品ならなおさらで。「著者:劉 慈欣」と書かれても読み方すらわからん。「りゅう じきん」と読むそうだ。

『三体』は「帯」を書いてくれる人に困らなそう。愛読者には、オバマ前大統領やFacebook創業者のマーク・ザッカーバッグとか、世界的な有名人がズラリとならぶ。さらに、アジア圏初のヒューゴー賞(SF作品のアカデミー賞みたいなもの。実際にアカデミー賞を参考にしたらしい)もとっているし、作品としての魅力は申し分ない。これはぜひ聴いてみたい、そう思わせる。

どんな帯だとしても、それに負けない作品のちから

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『世界の中心で愛を叫ぶ』の帯に柴咲コウの言葉「泣きながら一気に読みました。私もこれからこんな恋愛をしてみたいなって思いました」が採用されて大ベストセラーになったあたりから、出版業界はそれに気をよくしてか血迷ってか、表紙なのか帯なのか、帯がついている状態が正しいのか正しくないのか、帯をとってしまうと「あれ、この本なんで買ったんだっけ?」と小一時間悩むような本が増えた。あ、ちなみに私は長澤まさみ派です。

書店で見つけたあと買いそびれてAmazonで買おうとする、またはその逆でも、帯の有無でだいぶ印象が違うので、買うのをやめてしまったりすることもあるくらい「帯」はどんどん幅をきかせている。そんなわけで、ずいぶん「帯」負けしている作品も増えた。実際、『三体』を書店では見てないけれど、どんな帯がついてるのかな? 大丈夫、この作品は「帯」負けしてません。ご安心を。

Amazonの書評評価でもこのブログを書いている時点(3/1)でこの作品の評価は「4.2」。海外作品って、都心のマンション並みに仰々しい標語をつけて売り出されることが多いんで、それに反して評価が低くなってしまうことが多いなか、これはすごいこと。

長い……。

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と、ここまでの情報で「聴いてみようかな」なんてちょっとだけ好奇心をもったそこのあなた。この作品「17時間31分」あります。「24」よりは短いですが、「ロード・オブ・ザ・リングの三部作」よりは長いです。けっこう覚悟がいります。でも、どうせぼーっと過ごしてチコちゃんに怒られるくらいなら、聴いて損はありません。それは断言できます。

最初だけちょっと我慢。あとはぐいぐいいける。

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この作品を読み上げてくれているのは、祐仙 勇(ゆうせん いさむ)さん。海外ドラマの吹き替えなどで活躍されている方だそうです。

サンプル
https://www.audible.co.jp/pd/%E4%B8%89%E4%BD%93-%E3%82%AA%E3%83%BC%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%AA%E3%83%96%E3%83%83%E3%82%AF/B07XLSPZVD?ref=f=a_hp_c12_bestsellers-d_1_1&pf_rd_p=f3aa61a4-d227-485b-909b-a59808b857f0&pf_rd_r=4MFRJSRXCH33MWGM49RM

正直、最初は少し我慢してください。これ、オレだけかもしれませんが、少しきざっぽいセリフ回しが、なんでしょう、こう、アテレコじゃないのに、ちょっと口の動きとズレたアテレコを聴いているような……。海外作品だからそんな感覚になるのかもしれません。

聴き進んでいくうちに気にならなくなります。慣れって大切。海外ドラマの準主役くらいで、むくわれないけれど感じのいい人、人気投票をすれば3位くらい、100点ではないけれどもこの人でないと気持ち悪いという気分になってきます。「101回目のプロポーズ」の真壁さんみたいな(思い出せますか?)。高原を吹き抜ける風のような爽やかな声だから、そんな気分になれるんでしょうね。

欲を言うと、爽やかならなんでもいいってんじゃなくて、やっぱり適材適所ってのがあるわけで、映画『るろうに剣心』で斎藤一を演じた江口洋介のような違和感はちょっとあります。江口洋介はかっこいいけれども、そこは、遠藤憲一でしょ、みたいな。

森博嗣の小説とかが合いそうな声です。作品は、文化大革命など政治的なおもーいシーンもあったりするので、もう少しカゲのある声の人が朗読しても良かったかもしれません。

祐仙 勇プロフィール
https://www.81produce.co.jp/dcms_plusdb/index.php/item?cell003=%E3%82%84%E8%A1%8C&label=1&cell004=&name=%E7%A5%90%E4%BB%99%E3%80%80%E5%8B%87&id=130

登場人物は事前にチェックしておくこと!

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長ーい作品で登場人物がたくさんでてきますし、時間も場所もあちこちとびます。
朗読作品を聴くことの唯一の難点は、自分のスピードで進められないこと。理解できていなくても作品はどんどん進んでいきます。その結果、この作品に限らずだけれども、どうしても海外文学は登場人物が頭に入ってきにくい。文字で見ることができれば、カタカナより漢字である分、意識に定着できるはずなんだけど、それが朗読となるとなかなか難しい。

作品全体をとおして人物の読み分けが淡いときがあるので、登場人物の事前チェックは必須!授業にでるからな!Audibleなら、資料として人物表がついています(人物相関図にしてほしかった……あと、できれば年表も……)。

こんな人はきっと聴いて損はない

この作品、実は三部作だそうな。もともと中国語で発表されたのは2006年なので、続きをいつ聴けることになるかわかりませんが……。聴き終わった後、たしかに続きがとってもとってもとっても気になります。こんな気持ちは「バックトゥザフューチャー2」以来かも。

最後に、偏ってるかもしれないけれど、こんな人にオススメです。

  • 質の高いSFをイケメン風な声で聴いてみたい人
  • 陰謀論が好きな人
  • 「超ひも理論」と「小松左京」が好きな人
  • 英語圏で人気の中国人作家という特異点のSFを読んでマウントとりたいひと

長澤まさみじゃなくて、ガッキーがおすすめする本なら読んでみたいかなぁ……。

この作品を聞くには

この作品を聞くことができるサービスは、

  • Audible

作品について

  • 三体
  • 17 時間 31 分
  • 2019/10/18

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