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憧れだけで終わらせない【スティーブ・ジョブズ名語録】

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憧れだけで終わらせない【スティーブ・ジョブズ名語録】

この作品は「オーディオブック聴き放題なら - audiobook.jp 」で聴くことができます。

本当の価値ってなんだろう

残念なことに、志村けんさんが亡くなった。
その追悼番組で大笑いした。真に偉大なコメディアンだった。

美術品は作者が亡くなったあとに、その価値が判明するそうだ。
どっかの芸術大学の先生の作品が、亡くなった後に価値が下がったりする。

その人が遺した言葉も、亡くなったときにこそ本当の価値がわかるのかもしれない。

こんな人に聴いてほしい

スティーブ・ジョブズを知らない人はいないだろう。

いないよね、たぶん。知らなかったとしても、最初のパソコンつくって、最初のフルCGアニメ(トイストーリー)をつくって、最初のスマホと最初のタブレットコンピューターを作った人といえば、そのすごさがわかるだろう。この本は、そんなスティーブ・ジョブズの名言をまとめた1本だ。

こんな人に聴いてほしい。

  • 何かに挫折して、立ち上がる力がほしい
  • 天才と呼ばれた人間の思考に触れたい
  • とにかくAppleが大好き

挫折なんて通過点

また、会社を賭けることにしよう

社運をかけ1億ドルを使ってCMを打つことを決めたときの言葉。CMは大失敗。そして、Appleをおわれることになる。そういう言葉も取り上げているところがいい。ジョブズだって、いつも成功していたわけじゃない。おわれたからこそ、iPhoneやトイストーリーを生み出すことができた。
今あなたの目の前にある挫折は、ほんとうに悔やんで立ち止まってしまうほどのものだろうか。

偉大な人ほど近づきがたく

間抜けなインタビューに付き合っている暇はない

Appleの猛烈な信者の記者がインタビューしたときの言葉。名山を攻めるにはそれなりの覚悟と装備が必要だ。

彼は生きているときから、もちろん偉大だった。生み出した商品だけでなく、本人そもものの存在感も群を抜いていた。その存在感をぞんぶんに使った彼のプレゼンテーションは、その後、世界の商品発表の主流となった。

偉大な人は、名山のようなものだ。遠くから見ている分には美しいが、近くにいって登ってみるとそのほとんどがゴツゴツとして険しい山道である。

だから富士山は美しいが、高尾山はのぼってたのしい。

人も、何かを成し遂げた人物ほど遠くで見ている分には良いが、近づきがたい雰囲気があるものだ。ジョブズはまさに典型的な名山。しかも世界の名山である。それはまるでK2。安易には近づくことすらできない。

コンピューターバカ

自分の居場所を自分で作る

Appleというとデザインの要素にどうしても目に行き、オシャレなことが先行しているようなイメージだ。この本を聴いて思ったのは、ジョブズは本当に「コンピューターバカ」だったんだということ。

ジョブズは「コンピューター」で世界を変えようとしていた。そして、世界を変えるものは美しくなければならなかった。だからデザインにこだわるのは当然のこと。本人の言葉を聴いているとそんな気がしてくる。ときに辛辣な言葉はコンピュータへの愛情からでてくるものであることが多い。

根性論なんだけど

あなたと僕は未来を作るんです

言葉だけを取り上げると根性論のようにとらえられてしまいかねない言葉も多い。実際、かなり厳しい人間だし、クレイジーなことも多くやり、そして人にも要求している。それでも多くの才能がジョブズのもとに集まったのは、夢を、ビジョンを、行動と言葉を通して見せてくれたからなのだと思う。もう行動を共にすることはできないけれど、言葉はここにある。
こんな言葉で誘われたら、どんな夢物語でも、ついていってしまうかもしれない。

名言集だからこそ、感情を抑えて

名言は、発した人はそのとき名言になっていない。のちに、さまざまな尾ひれがくっついて、名言として育っていくものだ。だからこそ、現時点ではどんなに名言だったとしても、それっぽく読んでしまうのはよくないことなのである。
そういう意味で、この本はとても落ち着いた雰囲気で、感情の抑揚をつけすぎずに語られているので、自分のあたまでその言葉をかみ砕いて吸収していくことができる。

憧れだけで終わらせない

この本は、人間「スティーブ・ジョブズ」に触れることができる。実際に発せられた言葉を自分なりに解釈して、偉大なコンピューターバカの軌跡をたどってみてはいかがだろうか。

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■ナレーター
鬼塚啓之進
テレビ朝日「邦子がタッチ」「ニュースステーション」「サンデープロジェクト」に出演。モンタナ・ライトボックス、ソニー・デジタル携帯電話、ハリカのCMにてナレーションを担当。ビデオ「結婚スピーチ事例」やCD「小学生理科」などに出演。趣味は読書、ジョギング。特技は社会教育コンサルタント、ものまね。

■著者
桑原晃弥
1956年広島県生まれ。経済・経営ジャーナリスト。慶應義塾大学卒。
業界紙記者を経てフリージャーナリストとして独立。トヨタからアップル、グーグルまで、業界を問わず幅広い取材経験を持ち、企業風土や働き方、人材育成から投資まで、鋭い論旨を展開することで定評がある。
主な著書に『ウォーレン・バフェット 巨富を生み出す7つの法則』(朝日新聞出版)、『スティーブ・ジョブズ名語録』(PHP文庫)、『トヨタのPDCA+F』(大和出版)、『トヨタだけが知っている早く帰れる働き方』(文響社)など多数。JMAMでは近著『トヨタ式考える力』『グーグルに学ぶ最強のチーム力』を執筆。

 

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